てまらく 手間を、らくに

てまらくよみもの / 初めての職務経歴書

職務経歴書の書き方

初めての職務経歴書|「自分の仕事だと何を書く?」を3つの質問から考えてみる

いまの職場、そろそろ次に進みたいな。

求人を見ていたら、ちょっとやってみたい仕事を見つけた。
応募条件も勤務地も大丈夫そう。

さて応募しよう、と一番下まで見ると、

応募書類:履歴書・職務経歴書

……職務経歴書。

履歴書なら書いたことがある。
でも職務経歴書は、一度もない。

検索して見本を開いてみると、知らない会社の知らない仕事が、きれいに並んでいる。

「これを、自分の仕事にどう置き換えるんだろう?」

しかも、一番上には「職務要約」という見慣れない欄まである。

いざやるぞ!って思っていても、書類がうまく書けないで気持ちが萎えてしまう、

この記事は、そんなとき、
職務経歴書をなんとか最低限書けるようになりたいという人のために書きました。

あなたの職務経歴書を読むのは、こんな人です

中途採用の求人を出している会社は、どんな状況でしょうか。ちょっと考えてみてください。

・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・

細かいところはその人その会社で違うかもしれませんが、

任せたい仕事が先にあって、その席が空いている。あるいは、増えてきた仕事を分け合う人が要る。求人が出ているということは、たいていそういう状況なのではないでしょうか。

そう考えると、採用担当者が職務経歴書で知りたいことが見えてきます。

「この人に、うちのあの仕事を任せられるのかな」
「入ってすぐ動けるのか、それとも一から教えることになるのかな」

こんなところです。
新卒の採用と違って、中途の採用では、あなたがこれまでやってきたことが、そのまま判断の材料になります。ハローワークのパンフレットも、職務経歴書の目的は実務能力を伝えることにある、と書いています。

実は、相手方に実務能力を伝えるちょっとしたコツがあります。
それは、『数字』をつかうことです。

「コミュニケーション能力があります」とだけ書いても、採用担当者は自社の仕事に当てはめられません。
「1日平均70組のお客様を2名体制で受け付けていました」と書けば、担当者は自社の来客数と引き比べて、任せられるかどうかをその場で考えられます。
実績の欄には可能であれば成果指標の数値を書く、というのもパンフレットの案内です。

あなたが毎日こなしていた量を具体的に数字に起こすと、スムーズに相手方に実務能力を説明することができるようになるんです。

職務経歴書の内容

職務経歴書には、決まった様式がありません。ハローワークのパンフレットによると、A4縦のサイズで1〜2枚程度、パソコンの横書きで作るのが一般的です。
黒のボールペンや万年筆で手書きしても差し支えありません。

必ず入れるのは、標題(「職務経歴書」の5文字)・日付・氏名、そして職務経歴です。そのほかの項目は自由に選べます。ただし全部で3〜6項目程度にまとめるのが一般的だ、とパンフレットは案内しています。

初めての1枚なら、この並びで足ります。

  1. 職務要約(250字前後): これまでの職務経歴を、ひとまとまりで伝える入口
  2. 職務経歴: 勤務先ごとに、期間・会社の事業内容・職務内容・実績を並べる本体
  3. 活かせる能力: 応募先の仕事に使える技能・資格・経験
  4. 自己PR・志望動機: 履歴書に書ききれなかった中身を、詳しく

「職務要約」は、呼び名が1つではありません

見本を見比べると、いちばん上の見出しが「職務要約」だったり「職歴概要」だったり「略歴」だったりします。
ここで、自分が開いている見本は正しいものなんだろうか、と不安になる人は多いと思います。
(私もそうです。間違いがないように、しっかり書きたいと思っているときほど、見本と提出物のちょっとした違いが気になってしょうがなくなります)

困ったときはハローワークのパンフレット。それによると、この欄は「職歴概要」と呼び、職務経歴の概要を書く欄だと説明しています。
ですが、求人サイトの見本でいちばんよく見かけるのは「職務要約」です。(なんでだ)
呼び名は違っても、中身に書くことは同じでいいとのこと。冒頭に置いて、全体像を先に伝える欄です。
この記事では「職務要約」で呼びます。

職務要約の型

現職(前職)の会社・職種 → 実績・経験 → 強み

この3つを、この順番で250字前後に収めます。書く順番にも意味があります。
読み手は要約で全体像をつかんでから、下の職務経歴に進みます。だから会社と職種を先に置いて、あなたがどの世界で働いてきた人かを最初に書くと、スムーズに読んでもらいやすくなります。

では、次の3行を、自分の言葉で埋めてみてください。

「(会社名)で、(職種)として(年数)勤務しています」
「(担当業務)を担当し、(数字にできること)に取り組みました」
「(その経験から言える強み)が強みです」

簡潔な3行にみえるかもしれませんが、これがそのまま職務要約の下書きで使えます。

全体は「編年体」で並べる

要約の下に続く職務経歴は、古い経歴から順に並べます。
この並べ方をハローワークのパンフレットは「編年体式」と呼び、わからないときは編年体式にする、と書いています。
迷ったら編年体式を使えば大丈夫です。

実際に書いてみる: 3つの質問から250字へ

手順1: 3つの質問に答える

ハローワークのパンフレットは、職務経歴書を作る最初の作業として、自分の職務経歴の振り返りをすすめています。
振り返る項目は、時期・勤務先・会社概要・所属・役職・職務内容・実績など8つ。
ただ、初めての職務経歴書を書こうとすると、たいてい途中のどこかで、何を書いたらいいかって手が止まりがちです。

サクサク書ける人は問題ないんですが、
手が止まっちゃう人のために。
自分が書くときに使った3つの質問を作ったので。
メモ用紙でも、スマホのメモでもかまいません。箇条書きで書き出してください。

  1. どこで、何年、何をしてきた?(会社名・事業内容・職種・担当業務)
  2. 数字にできることは?(1日の件数、担当した人数、任された範囲、続けた年数)
  3. 一番肝が冷えたけど乗り越えた経験は?達成感があった仕事は?頑張ったといえる仕事はありますか?その時に。1番役に立った自分の強み(特徴)はなんだろう?(導き出せる強みは1つでいい)

ビジネスホテルのフロントで4年働いた人の例を書くと、

  1. 株式会社〇〇(ビジネスホテルを運営。客室120室)でフロントスタッフ4年。チェックインとチェックアウトの応対、電話とインターネットからの予約管理、朝食会場の準備。3年目から新人の教育も担当
  2. 1日平均70組の応対を2名体制で。夜勤は月4回。予約の入力ミスによる部屋の重複が月3件あったのを、年2件まで減らした。新人2名を担当
  3. 混み合ってバタバタした時間帯でも、予約の入力ミスやあれ?と思ったポイントに気がつく手順を発見し、冷静に応対できるようにした。客観的視点から改善点を導けるのが強みかなと思った。

1番と2番は、事実を書き出すだけなので簡単なほう。
一番見つけるのが困るのが3番、強み(特徴)部分かなと思います。
コツとしては、仕事の中でも印象に残ったエピソードを書きだして、それがなぜ印象に残っているのか、探ってみるところから始めるとやりやすいです。
記憶が残っているということは、なにかしら自分の感情が動いたということ。いいことでも、それが嫌な記憶でも、いまあなたがここにいるということは、その出来事を乗り越えたからですよね?
その乗り越えるときにこんな風にしたな、こんな気持ちで立ち向かったな、っていう経験をふりかえって、『これがあったから』できた。の『これがあったから』を書く。っていうのが私のやりかたです。

手順2: 1.2.3を型に流し込む

『例』

株式会社〇〇(ビジネスホテルを運営。客室120室)で、フロントスタッフとして4年間勤務しています。
チェックインとチェックアウトの応対、電話とインターネットからの予約管理、朝食会場の準備を担当し、1日平均70組のお客様を2名体制で受け付けてきました。
予約の入力ミスによる部屋の重複が月に3件ほど起きていたため、入力した内容を二人で読み合わせる手順を提案して定着させ、年2件まで減らしています。
3年目からは新人2名の教育も担当しました。混み合う時間帯でも手順を崩さずに応対できること、ミスの起きた場面を書き留めて手順に直せることが強みです。

(※268字。「株式会社〇〇」は架空の社名です)

上記の例の中に、手順1で書き出した答えを順番に、日本語を整えて並べてみました。
職務要約は流し込むだけで形になります。

強みって言われると、「たいした仕事はしていない」とも、「特に実績はない」とも言いたくなるかもしれません。
でも、こう思うのって誰かと比べているから、自分って大したことないって思っちゃうからなのかなと思います。
職務経歴書は、その誰かのことを相手は知りません。
だからだれかと比べることなく、自分の中で経験したこと、その中で得意なこと、できたことを書けばいいんです。

この「強みの見せ方」は、面接で「あなたの強みは」と言われたときにもそのまま使える型なので、
困ったらメモにまとめて面接のスーツポケットに入れておいてもいいかもしれませんね。

職務経歴欄には、同じ材料を項目ごとに簡潔に書く

要約の下に置く職務経歴は、同じ材料を項目ごとに分けて簡潔に書きます。・(てん)は打ちませんが、箇条書きにする気持ちで。ぱっと見て採用担当者が概要をつかめるように書きましょう。
勤務先ごとに、期間・会社の事業内容・職務内容・実績の順で書きます。
会社概要には、元の会社の従業員数のような具体的数字も書くとよいです。

令和〇年4月〜現在 株式会社〇〇 〇〇店勤務
(会社概要) ビジネスホテルの運営、客室120室、従業員18名
(職務内容) チェックイン・チェックアウトの応対、電話・インターネット予約の管理、朝食会場の準備
(実績) 1日平均70組の応対を2名体制で担当。予約入力の読み合わせ手順を提案し、部屋の重複を月3件から年2件に

元の会社名は略さずに『正式名称』で書きます。「(株)〇〇」ではなく「株式会社〇〇」と書く、というのがパンフレットの案内です。
1行は長くせず、「〜を担当」のように名詞で止めると読みやすくなります。

ここまで来れば、1枚の職務経歴書に必要な中身は、ほとんどそろいました。
志望動機と自己PRを書いたら、あとは時間をおいて読み直して、誤字脱字修正して完成です。

応募先が変わったら、最後の一行だけ差し替える

この型は、応募先が変わっても使えるのですが、中身は、応募先ごとにちょっとずつ変えた方がいいとされています。(ハローワークパンフレットより)

一から書き直すと大変だ、書けないってときは、要約の強みのところの表現を相手の会社に合わせて変えることだけしてみましょう。
求人票を読んで、その会社がいちばん求めているんじゃないかな?っていうところを見つけます。(求める人材とか人物欄のところに書いてあることが多いですね)

例えば、同じフロントの求人でも、応募先が接客の丁寧さを求めているなら「混み合う時間帯でも手順を崩さずに応対できること」が強調されるように。
仕組みを整えられる人を探しているなら「ミスの起きた場面を書き留めて手順に直せること」が目立つように。

この型のとおりに入力欄が並ぶ、無料の職務経歴書ツールを用意しています。
登録なし・広告なしで使えます。

職務経歴書をつくってみる(無料)

よくあるつまずき

Q. いまの会社に在職中です。職歴の最後はどう書きますか

履歴書の職歴欄では、最後の行に「現在に至る」と書き、その次の行に右寄せで「以上」と書きます。
退職の予定が決まっているなら「現在に至る(令和〇年〇月末退職予定)」のように添えます。(どちらもハローワークのパンフレットに載っている書き方です)

在職中は、日中に電話へ出られないこともあります。その場合は、履歴書の本人希望記載欄に連絡の受け方を書いておくと、採用担当者が困りません。パンフレットにも、こんな例文が載っています。

在職中のため、勤務中は電話に出られない場合もあります。その場合は留守番電話に伝言いただければ、折り返しご連絡差し上げます。

なお、「現在に至る」と「以上」は、ハローワークのパンフレットが履歴書の職歴欄の書き方として案内しているものです。職務経歴書のほうは様式が自由なので、職務経歴の期間を「令和〇年4月〜現在」と書けば、在職中だと伝わります。パンフレットに載っている職務経歴書の記載例にも、経歴の文末を「現在に至る」で締めたものがあります。どちらの書き方でもかまいません。

Q. 履歴書と職務経歴書、同じことを書いていいですか

残念ながらダメです。
履歴書は決まった様式で全体像を伝える書類、職務経歴書は自由な様式で実務能力を詳しく伝える書類です。
ハローワークのパンフレットも、履歴書の記載内容をそのまま写す書き方では職務経歴書を作る意味がない、と案内しています。
職務経歴書には、上記で案内した手順を使って、履歴書の中身を補って膨らませて、詳しく書くのがよいでしょう。

Q. 実績に数字が出ない仕事です

そんなときは件数・人数・年数などを数字にして入れ込みましょう。
「1か月に約〇件の電話を受け付け」「〇名分の勤務表を作成」「〇年間、同じ工程の検査を担当」のようにすれば
実績がパッと伝わりやすくなります。

まとめ: 3つの質問が、全部の材料になる

  • 読み手が知りたいのは「うちのあの仕事を任せられるのかな」の一点。だから実績は数字で書く
  • 冒頭の職務要約は250字前後。現職の会社・職種 → 実績・経験 → 強みの順
  • 材料は3つの質問(どこで何年何を/数字にできることは/強みは)で出す
  • 強みは印象に残ったエピソードを思い出すと出てきやすい
  • 全体は古い順の編年体式。わからないときはこれで並べる
  • 応募先を変えるときは、応募先に合わせてアピールポイントの締めをちょっと変えるのがおすすめ

まずは「職務経歴書」を書かなくていい

職務経歴書を書こうとしているのに、

「職務経歴書を書かなくていい」

というのも変なんですが。

自分自身のことを「いざ書け」っていう状況できれいな文を出すのって、難易度が高いよなって思うので。

  1. どこで、何年、何をしてきた?(会社名・事業内容・職種・担当業務)
  2. 数字にできることは?(1日の件数、担当した人数、任された範囲、続けた年数)
  3. 一番肝が冷えたけど乗り越えた経験は?達成感があった仕事は?頑張ったといえる仕事はありますか?その時に。1番役に立った自分の強み(特徴)はなんだろう?(導き出せる強みは1つでいい)

この3つの質問からあなたのことを深掘り→
それを型通り読める形に埋めて書く。これが楽かつ嫌にならずに職務経歴書を作るコツかなと思います。
お試しあれ。

参考資料